公共政策専門職大学院
政策立案能力を高め幅広い場面で活躍!
 
 
政治学からコミュニケーションまで幅広く学んで政策立案能力を鍛えるのが公共政策学で、今注目されている学問分野です。

この政策立案能力を習得すれば、公務員ばかりでなく一般企業からNGO・NPO職員、ジャーナリストまで活躍の場は広がります。


■政策立案能力を高め、広い分野で活躍できる人材を育成

公共政策大学院は公共という文字が示す通り、国家・地方・国際などの公務員の「政策立案についての専門性を有する人材を教育する大学院」(東北大学公共政策大学院)であり、公共政策や政治に関わる高度専門職業人を育成する専門の大学院ということができます。しかし公務員に限らず政治家、議員秘書、調査研究機関(シンクタンク)の職員、一般企業の経営政策・立案に関わる社員、ジャーナリスト、NGOやNPOの職員などその活躍の場は広範にわたるため、MBAやMOTと同じように実務家を養成するビジネス系大学院ともいわれています。

公共政策は政治学・法律学・経済学・社会学などのジャンルに入る学問で、これらの学問分野のある一般の大学院のうち公共政策に関するカリキュラムを配置しているところでも学べます。最近では公共政策を専門とする大学院もできています。

平成15年に専門職大学院制度が施行されると、早稲田大学大学院公共経営研究科が公共政策専門職大学院としてスタート。翌16年には東京大学大学院公共政策学教育部、東北大学大学院法学研究科公共法政策専攻、香川大学大学院地域マネジメント研究科が創設されました。平成19年4月には明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科が専門職大学院に移行し、現在ある公共政策専門職大学院は8校となっています。

公共政策が学べる大学院は公共政策専門職大学院と一般の法律学・政治学・経済学系など大学院です。公共政策専門職大学院の修業年限は2年です。しかし実務経験があり優秀な成績を修めた場合は1年でも修了可とする大学院もあり、修了すれば公共政策修士(専門職)の学位が授与されます。一般の大学院では、たとえば政治学の場合は修士(政治学)または博士(政治学)となります。


■多面的なアプローチ方法で政策立案能力を鍛える

公共政策、地域政策、公共経営など公共政策大学院の名称はいろいろですが、各大学院に共通する目標は、政策立案や政策分析・評価などのカリキュラムを編成して政策能力を磨き広い視野と見識をもった社会のリーダーや、高度な専門知識を備えた職業人を養成することです。このため履修内容は政治学・法律学・経済学・社会学・国際関係学・コミュニケーションなど幅広い分野から多面的にアプローチするもので、これにより官公庁から民間企業まで多種多様な分野に適応できる政策立案能力を鍛えます。

多くの大学院では机上で行う知識習得タイプの授業ではなく、官公庁や自治体、シンクタンク、民間企業といった現場でのインターンシップなど実践に即した体験習得タイプになっています。



■専門分野や将来の方向と合致する大学院を!

政策立案といってもそれが地方公共に関するものなのか、国家的なものなのか、国際的なものなのかで内容が異なり、各大学院はどこに重点を置くのかなどの独自の特色を出しています。たとえば一橋大学国際・公共政策大学院には法律学と国際関係からアプローチする「国際・行政コース」と経済学をベースとする「公共経済コース」があり、国家と国際関係に重点を置いたカリキュラムを展開していますし、札幌学院大学大学院地域社会マネジメント研究科では研究科名の“地域社会”が示すように、地域社会における少子高齢化問題や福祉・環境問題、経済格差問題などさまざまな問題解決に向けての政策立案能力を鍛えるプログラムを組んでいます。聖学院大学大学院政治政策学研究科では「政治・政策」「税務経済」「公共政策」の3コースを設置して現実的な政策立案ができる職業人を養成しています。

公共政策大学院を目指すには単なる「公共政策全般の履修」ではなく、大学院の特色を把握して、自身の専門分野や将来の方向と合致する大学院を選んでほしいものです。

公共政策大学院修了者の中には国家公務員を目指す人が多くいます。その人たちに対する朗報として、平成18年度から国家公務員I種試験の行政、法律、経済の区分において、新たに「公共政策」に関する各区分共通の問題が2題出題されました。出題内容は政治学、行政学、経済学等の知識を前提に政策の分析、評価、具体策の提示について論述させるものです。合格の可能性が増えたといえましょう。また将来的に国会議員政策担当秘書の資格を与えてはどうかという議論もあるようです。